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新技術「BROTHERS」考案 長崎大の研究Gが核酸医薬品の副作用を低減することに成功 

長崎大学の山本剛史准教授らの研究グループは4日、熱力学を応用してDNAなどから作る医薬品「核酸医薬品」の副作用を低減することに成功したと発表した。新技術「BROTHERS」を開発しており、幅広い疾患への実用化が期待されている。

酸医薬の副作用は、生命活動に重要なタンパク質やRNAなどの生体分子が吸着し、細胞内の生命活動の一部が破綻することにより引き起こされると考えられている。そこで、研究グループは核酸医薬の副作用の課題を解決するため、熱力学原理とナノテクノロジーを応用した分子装置(BROTHERS構造体)を考案した。

BROTHERS構造体は、核酸医薬が生体分子に発見されないように「不可視」な状態で狙いの遺伝子を探し出し、薬効を発揮するプログラムされているもの。実験では問題であった生体分子の吸着現象を回避し、副作用の低減につながることを示した。

研究グループは「BROTHERS技術は、ASOの最大の課題であった副作用の課題を克服するものであり、広い疾患への実用化が期待される」とコメントしている。