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「治療に関する助言」が最多 東京医科大、遠隔集中治療のニーズを調査 

東京医科歯科大学の那波伸敏准教授の研究グループは、遠隔集中治療のニーズとして治療に関する助言が最も多く、次いで患者のトリアージと搬送、診断と順に挙げられることをつきとめた。

研究グループは、遠隔集中治療を提供しているT-ICU社(現Vitaars社)によって録音された、集中治療を専門としない現場医師(関西中部地方の5つの2次医療機関、計26人)と相談側医師の電話・ビデオ相談の音声データ(2019/12~21/4、計70件、計15時間)に対して逐語記録を行った。

その結果、相談理由は「治療や対応に関する個人的因子」と「現場医師と他人との関係性因子」の2つのカテゴリーに分けることができた。

「治療や対応に関する個人的因子」に関しては、当直などで専門外の患者を診療する場合や患者事情によって対応や治療方針がより複雑化する場合に相談に至るケースが多く認められた。

「現場医師と他人との関係性因子」からは、相談できる相手が現場にいなかったこと、または相談できる相手が物理的にいても相談できないという状況があり、現場医師が遠隔相談することになったケースが多く確認されている。

現場医師が相談側医師に求めた内容はを確認すると、治療に関するものが一番多い。全体的なものから投薬や電解質補正方法など細かい調整が必要なものまで多岐に渡った。だが、治療の中でも「手技」に関する質問は少ないことが判明している。

また、対応方法や診断に関する知識を求めるケースも一定数存在。対応方法では、高次医療機関への搬送の有無に関する相談、診断では画像読影などに関する相談が最多であった。

患者病態とアドバイス内容の関係については、感染症、消化器は診断に関する知識を問うものが占める割合が高い一方、循環や脳神経系、呼吸器などは治療に関する知識・手技の相談、外傷に関しては対応方法を質問する相談が多かった。

研究グループは「医療安全の視点も含め遠隔医療における診療の質を担保してゆくことは喫緊の課題」と指摘。「本研究から得られた知見は、今後の遠隔集中治療の普及と質の向上に必要な情報を提供することが期待される」とコメントしている。