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超伝導量子VSイオントラップ型量子 東大研究Gが両コンピュータのパフォーマンス比較

東京大学のエリック・ローツステット准教授らによる研究グループは5日、スピン系の時間発展のシミュレーションを通じて、電気抵抗をなくした「超伝導型量子コンピューター」とイオン化粒子をビットとする「イオントラップ型量子コンピューター」のパフォーマンスを比較し、それぞれの特性を明らかにしたと発表した。

本研究グループは、超伝導型量子コンピューターとしてIBM社が開発した量子コンピューターの最新機種である「ibm_プラーグ」を、イオントラップ型量子コンピューターとして クオンティニュアム社の最新機種の1つ「H1-1」を用い、最も基本的なハイゼンベルグスピン系の時間発展を計算してその結果を比較した

その結果、ibm_プラーグの場合には、3 種類のエラー抑制が必要であったが、H1-1の場合にはエラー抑制は不要であった。一方、H1-1を用いた場合の計算時間は、ibm_プラーグを用いた場合の計算時間に比べて約200倍となることが示された。

研究グループは「それぞれのNISQデバイスの性能やパフォーマンスに応じて、最適なエラー抑制の方法を開発し適用していくことが重要であることを示しており、誤り耐性量子コンピューターが確立するまでの間、どのようにNISQデバイスを研究に活用していくかという問題に指針を与えるもの」としている。