東京大学の関真秀特任准教授らの研究グループは、ゲノムDNAから遺伝子を読み取る開始位置である転写開始点(TSS)を網羅的に決定するTSS-seq2法を開発した。解析がされてこなかったコシオガマ、ベンサミアナタバコ、ミヤコグサ、ハクサンハタザオの4種類の植物の新たな開始点を発見した。
先行研究により開発されたTSS-seqを改良簡略化することで、TSS-seq2を開発した。TSS-seq2は既存の方法よりも特異的に転写開始点を検出でき、5ナノグラムと少量のRNAからでも実施できる。
これまでほとんどTSSの解析がされていなかった4種類の植物種(コシオガマ、ベンサミアナタバコ、ミヤコグサ、ハクサンハタザオ)にTSS-seq2を適用した。すると、既存の遺伝子情報に含まれない約4000-2万カ所の転写開始点を新たに検出することができた。
研究グループは「今回開発した方法は、さまざまな生物種や組織でのメッセンジャーRNAの正確な構造の同定や遺伝子の制御の研究、特に希少な細胞種や微小な組織などの少量のサンプルの解析への応用が期待される」とコメントしている。