東京理科大学の山本征孝助教らの研究グループは、反応性姿勢制御を改善するウェアラブルデバイスを開発した。高齢者の転倒予防など幅広い分野での利用が期待される。

反応性姿勢制御とは予期せぬ外からの刺激の後に姿勢の安定性を回復する能力のことで、転倒の予防などで大きな役割を果たすバランス機能の重要な要素の一つ。外部から力を与えて姿勢制御能力を向上させるトレーニングは既に存在するが、高価な大型器具と専門医の指導が必要となる。

研究チームは、予期せぬ力に対するバランストレーニング用のウェアラブルデバイスを開発。これは家庭での使用も視野に入れて、柔軟かつ軽量な設計となっている。

このデバイスを使って、外乱を付与してバランストレーニングを行うグループと、力を与えずにトレーニングを行う群に分けた。そしてそれぞれの訓練前後における姿勢制御機能の評価をした。その結果、外乱を与えた集まりでは、トレーニング後に有意な姿勢制御の改善が確認された。

山本助教は「高齢者の転倒予防など、医療福祉分野での活用はもちろん姿勢制御能力の改善性の向上を通じた健康増進やスポーツ領域への展開も期待できる技術」と評価。今後について「幅広い用途を視野に入れて開発を進めていく」とコメントした。