国立情報学研究所(NII)とポーラ美術振興財団は27日、東京大学などとの共同調査で藤田嗣治(レオナール・フジタ)の作品「ベッドの上の裸婦と犬」で異なる発光色を持つ顔料を発見したと報告している。
調査では対象物の成分に関する情報を非破壊・非接触で得られるハイパースペクトル・カメラとNIIの蛍光スペクトルをデジタル上で分離する技術が用いられた。分析した結果、藤田氏は蛍光発光する顔料の性質を把握し、肌質感の再現のために意図的に異なる着色剤を使い分けたと推測された。
NIIなどの研究チームは「藤田氏がどのような日本画材を使っていたか調査したりすることで、その前後の洋画家、日本画家たちの分析も進めて関連を探っていきたい」としている。