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糖尿病での歯髄創傷遅延メカニズム 新潟大の研究Gが解明

新潟大学の野杁由一郎教授らの研究グループは、1型糖尿病モデルラットに直接覆髄(ふくずい)処置を行い、その治癒過程について免疫組織学的手法を用いて解析した。組織修復には分化が必要だが、それが遅延していることが明らかになった。M2マクロファージの創傷部への集積阻害が要因としている。

糖尿病患者は全⾝循環障害による創傷部位への⾎液供給不⾜により創傷治癒が遅れるため、⻭髄保存が難しい。この原因を突き⽌めることができれば、糖尿病患者に適したむし⻭治療が提供できるのではないか考えて、グループは研究を進めてきた。

研究グループは1型糖尿病のモデルラットを作製しました。糖尿病に罹患したラットに対して直接覆髄処置を⾏い、処置後7⽇⽬の⻭髄の病態を観察した。

1型糖尿病モデルラットでは直接覆髄後の⻭髄で治癒障害が起こっていることが分かり、この治癒障害にマクロファージが関与していると仮定して研究を進めた。その結果、M2 マクロファージが1型糖尿病モデルラットで減少していたため、治癒傾向ではないことが⽰唆されました。さらにM1マクロファージが存在し続けていることが、象⽛芽細胞様細胞への成熟を阻害している可能性が考えられている。

研究グループは「今回はモデル動物を⽤いた1型糖尿病のみの結果ですが、2型糖尿病での病態がどのように変化しているのかを解析することにより、糖尿病時の病態情報がさらに分かるようになると考えられる」とコメントしている。