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慶應大研究G CRISPR/Cas9を使った設計アルゴリズムを開発 ウェブで公開

慶應義塾大学の石川哲朗准教授らの共同研究グループは、CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)というシステムを使って遺伝子を欠失させる際の効率的な設計アルゴリズムの開発に成功した。ウェブ上で一般公開している。

がんに対する免疫療法の一種である「CAR-T(カー・ティー)細胞療法」は、患者自身の免疫細胞(T細胞)を、がん細胞を攻撃できるように体の外で加工して注射する新しい治療法。その効果を高めるための研究開発が盛んとなっている。T細胞の特定の遺伝子を欠失させることで機能を高められることが分かっており、CRISPR/Cas9技術の応用が期待されている。

だが、遺伝子によっては効率が良いとされる改変であっても必ずしもうまく行えないことがある。研究ではT細胞内の遺伝子領域への“アクセスのしやすさ”をスコア化して、さらにほかの設計ツールと組み合わせることで、遺伝子のどの領域を狙えば効率的な改変が可能かを予測する手法を開発した。

研究グループは「ツールが、T細胞の機能を高めるための研究開発のさらなる加速に役立つことが期待される」としている。