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ゲンジホタルの明滅が遅くなりつつある 長崎大の研究Gが発見

長崎大学の大庭伸也准教授と広島修道大学の研究グループは24日、詳細な遺伝子解析を実施。全国で最も明滅が早い五島列島型(1秒1回明滅タイプ)ゲンジボタルが九州本土に分布する西日本型(2秒1回明滅タイプ)と遺伝的に分化しつつある集団であることを発表した。

研究グループはミトコンドリアDNAのND5領域を解析に新たに加え、次世代シーケンサーを使用したGRAS-Di法によって得られた多数の核DNA多型情報を使って五島列島集団と九州本土集団の関係性を調べた。

その結果、ミトコンドリアDNAの解析結果から、五島列島集団は約100万年前に九州本土集団と遺伝的に分化したと推定された。また、核DNAの多型情報の解析からは、宇久島集団は九州本土集団と区別され、五島列島集団に含まれることを明らかにした。

これらの結果は、「九州本土集団から五島列島に進出した集団の中で1秒1回明滅が進化し、その後九州本土の2秒1回明滅の西日本型集団とは遺伝的交流がほとんど生じていない状態で独自の集団に分化する途中段階であることを示すもの」と分析している。