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ダウン症・自閉症関連たんぱく質の抑制因子 京大研究Gが発見

京都大学の宮田愛彦助教らの研究グループは、細胞内たんぱく質相互作用の大規模解析をもとに、たんぱく質DYRK1Aと結合するこれまで機能の知られていなかったたんぱく質FAM53Cを確認。また、FAM53CがDYRK1Aのたんぱく質キナーゼ活性を抑制し、DYRK1Aを細胞質に留める働きを持つことを発見した。

DYRK1Aの機能異常は自閉症スペクトラム症候群やそのほかの精神疾患の原因の1つであることが知られている。

研究グループは過去の実験で、DYRK1Aの主要な結合たんぱく質として DCAF7/WDR68を発見した。次いで DCAF7/WDR68と細胞内で複合体を形成するたんぱく質を質量分析により網羅的に特定。この中にDYRK1Aと結合してその機能や存在場所を制御するたんぱく質が含まれると着想し、その解析を進めることでDYRK1A の機能制御メカニズムを明らかにすることを計画した。

研究グループは、FAM53Cはこれまで知られていなかったDYRK1Aの機能と細胞内の存在場所をコントロールする重要なたんぱく質であることが明らかにした。今後について、「DYRK1Aと結合する新たなたんぱく質の発見とその生理的な機能の解明を目指す」としている。