東北大学の上田実教授らに研究グループは、レインツリーとも呼ばれる「アメリカネムノキ」が降雨で葉を閉じる現象に着目。引き金は葉の温度低下であると突き止め、就眠運動を制御する分子(SPORK2)が温度センサーとして機能することを解明した。生物学の専門誌「カレントバイオロジー」の電子版で28日に掲載された。
温度感覚は全ての生物に必須な機能だが、植物にはそのセンサーがないためにどのように感知しているのかは謎であった。上田教授らはアメリカネムノキが雨の降った際に葉を閉じる現象を温度変化によって起こしていると発見。SPORK2が温度計の役割を果たしていると見いだした。
SPORK2に似た遺伝子はほかの植物も有している。植物界には温度センサー機能をもつ分子が、普遍的に存在する可能性を示すことに研究グループは成功している。
上田教授らは「この発見は植物の温度感知機構の理解を飛躍的に前進させることが期待される」と説明した。