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NTT×ITER機構 核融合実験炉機器の異常予測の共同実験を開始

日本電信電話㈱(NTT)は21日、核融合炉工学技術の実証を行う「ITER(国際熱核融合実験炉)機構」と実施合意書を締結した。核融合実験炉機器での異常予測に関する共同実験を開始する。

共同実験では、核融合実験炉機器で運転や故障データを活用し、NTTの異常予測技術により機器の正常状態の把握や、故障の検出、異常予測を進めていく。

■CN取組活発化で高まる「新エネ創出」の重要性

気候変動問題をはじめとした環境問題に対して、カーボンニュートラルへの取組みが活発化しており、新たなエネルギーの創出も一層重要となっている。

こうした現状を踏まえてNTTは、「⾰新的な環境エネルギー技術の創出」を加速し、顧客・企業・社会の環境負荷低減に貢献するため、2020年5⽉にITER機構と包括連携協定を締結。⼈類初の核融合実験炉の成功に向け、具体的テーマの検討を進めてきた。

核融合実験の運転を継続的に進める上で、機器の故障を回避することが必要なため、機器の異常を早期に検出する異常予測に取り組むこととなった。

特に⾼強度かつ⼤量の中性⼦やγ線等の放射線環境下で、機器の故障が⽣じた場合には修理に時間を要し、核融合実験の運転に⼤きな影響を及ぼす。これまでの機器の異常検出は、ある単⼀の数値が閾値を超えた場合に、異常や故障であると判定していた。

しかし、このタイミングで異常を判定した際には、機器がすぐに故障に⾄ってしまうこともあり、復旧対応に時間を要し実験継続が困難となる。

NTTはネットワーク機器の異常検出で、複数種類のデータの相関関係を⽤いることで、今後発⽣する異常を早期に予測する技術『DeAnoS』により、単⼀データでの検出よりも早い段階で異常を検出することが可能。

これまで、『DeAnoS』の核融合実験炉機器に対する適⽤可能性についてITER機構と連携して検討を進めてきた。具体的には、核融合実験炉の構成機器の⼀つである循環ポンプで、故障時の判定が可能であることを確認し、核融合実験炉機器に対して本技術が適⽤可能である⾒通しを得ることができた。この検討結果を踏まえ、様々な機器に対する故障検出の検証を進め、さらに異常予測へ拡張した共同実験をITER機構と推進する構えだ。

ITER