東京大学やブルキナファソ農業環境研究所(INERA)の共同研究グループは22日、西アフリカの重要なたんぱく質源であるマメ科作物「ササゲ」について、新たな予測モデルを用いて今世紀半ばまでの収量変動を推定しました。
これまでのモデルは、環境ストレスの影響が少ない地域での栽培試験データに基づくものが多く、その利用は先進国に限られていた。アフリカの厳しい農業環境を反映した収量予測モデルを開発し、将来の気候変動が作物生産へ及ぼす影響を推定することは容易ではないためだ。
分析では「作物収量予測モデルの改善」「西アフリカの降水パターン変化の解析」「極端気象発生時におけるササゲ生産被害の予測」の3点。新たなデータを用いることで、作物収量予測モデルの精度を改善し、土壌型に応じた信頼性の高い収量予測を可能とした。
研究グループは今回の結果について「アフリカにおける気候変動リスクに新たな知見をもたらすものであり、アフリカ貧困地域の食料生産に及ぼす影響を最小化する湿害対策の必要性を喚起するきっかけになる」と説明している。