東北大学の研究グループは21日、雌雄性決定遺伝子の配列について紫アスバラガス品種「Pacific Purple」の2系統アスパラガス及び近縁種で比較解析し、紫アスパラガスの祖先はアスパラガスと近縁野生種の雑種であることを明らかにしたと発表している。
研究の結果、系統「PP-m」 と「PP-m*」の配列はそれぞれアスパラガス「A.officinalis」と近縁野生種「A. maritimus」に近い配列を持っていることが分かった。塩基配列を詳細に解析したところ、それぞれの配列に特徴的な挿入と欠失が見つかり、PP-mとA. officinalis、PP-m*とA. maritimusの配列が完全に一致していた。
このことから、PP-mはアスパラガス由来、PP-m*は近縁野生種由来の配列を持っており、紫アスパラガスは両種の種間交雑で生まれたことが示唆された。またPacific Purpleは祖先品種の複数の親を用いて育成されたため、均一性の低い品種になったと考えられている。
研究グループは「Pacific Purpleから育成された品種がどちらのタイプに属するのかを調べることで、各品種に有効な雌雄判別DNAマーカーを選別することができ、紫アスパラガスの品種育成の効率化ができる」としている。