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皮膚血管炎で酵素「ヤスキナーゼ」の活性化 名大助教らが発見

名古屋大学の桃原真理子助教らの研究グループは21日、IgA血管炎(IgAV)及び皮膚白血球破砕性血管炎(CLV)の患者皮膚で酵素「ヤヌスキナーゼ(JAK)」が活性化していることを突き止めたと発表した。

AVとCLV皮膚の症状を主体とする血管炎であり、皮膚の壊死や潰瘍など、患者のQOL を著しく低下させる症状を長期にわたり呈することがある。ステロイドや免疫抑制剤の内服が全身療法として用いられますが、治療は十分には確立されていない。

研究では、2016年1月~22年12月の間に名古屋大学で皮膚生検を行い、IgAV またはCLVと診断された患者、それぞれ 7 人、6 人を対象とした。同時に重症のアトピー性皮膚炎(AD)に罹患しており、全身療法を行う前の患者5人と、健常者(HC)5 人

も対照群として調査に組み入れた。

活性化したJAK1(pJAK1)及び JAK2(pJAK2)に特異的に結合する抗体を使用し免疫組織染色解析を実施した。

その結果、IgAV患者の皮膚では pJAK1陽性細胞数が健常者及びCLV患者の皮膚と比較して有意に多いことが分かった。pJAK2陽性細胞数についても、健常者及びAD患者と比較して有意に高いことが明らかになっている。

CLV患者においては有意差が認められなかったが、健常者と比較してpJAK1及びpJAK2陽性細胞数が多い傾向を示した。

研究グループは今後について「本研究成果で得られた新たな知見をもとに、血管炎治療の新たな選択肢としてのJAK阻害薬の可能性をこれからも検討していく」としている。