北海道大学の木村勇気教授ら研究グループは24日、ミシガン大学と共に成長が難しい鉱物「ドロマイト」が堆積岩として存在している理由を解明したと発表した。得られた成果はほかの鉱物の形成メカニズムの議論にも影響を与える可能性がある。この成果は24日公開の科学学術雑誌「サイエンス」に掲載される予定。
ドロマイトは多量に存在しているにもかかわらず、常温では成長しないことが長年の謎であった。
ミシガン大学の研究グループは、成長条件が変化することでドロマイトの溶解と結晶成長が繰り返される結果、速度が7桁大きくなることをシミュレーションで示した。この知見を基に北海道大のグループは、液中透過型電子顕微鏡を用いた新たな手法でドロマイトを実際に成長させることに成功している。
研究グループは「成長条件の周期的な変動は、降雨と晴天や昼夜の温度差などで自然界では普遍的に起きていることから、ほかの鉱物の形成メカニズムの議論にも新たな指針を与える」としている。