文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
神経疾患の病態解明に期待 新潟大などの研究GがRNA結合たんぱく質Sbp2Lが中枢神経系内細胞と関連解明 

新潟大学や慶應義塾大学などの共同研究グループは20日、中枢神経系内細胞の一つである「オリゴデンドロサイト」(OL)に特異的に発現するRNA結合たんぱく質Secisbp2L(Sbp2l)の発見に成功したと発表した。神経疾患のなどの病態や治療法解明への貢献が期待されている。

研究グループはSbp2l欠損マウスを作成し、OLにおける機能解析を行った。その結果、Sbp2l特異的抗体を用いた解析からSbp2lはOLの成熟の分子マーカーであることが分かった。

また生化学的な検証実験からSbp2lはOL文化に関連する転写因子Tcf712のmRNAからたんぱく質への翻訳制御を担っていることを明らかにしている。

こうした結果から、OL特異的に発言するRNA結合たんぱく質(RBP)であるSbp2がTcf712転写因子の翻訳制御を介してOL成熟に寄与していることが解明された。

研究グループは「OLの異常が関連するミエリン形成不全や脱随疾患など神経疾患の病態解明及び治療法の新たな分子標的を提供するものと期待される」としている。