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北大助教らが新種の細菌を発見 「Hydrogenimonas属細菌ISO32」

北海道大学の美野さやか助教らの研究グループは、東太平洋の深海底熱水活動域の一つである「Crab Spa熱水サイト」から新規細菌「Hydrogenimonas属細菌ISO32」株を分離した。その細菌は水素のほかに還元型硫黄をエネルギー源とする常温性の独立栄養性細菌の新種であることを発見している。

Hydrogenimonas属は熱水孔環境の生態系の1次生産者を担っており、従属栄養性の細菌種にはピロリ菌やカンピロバクターといった病原性細菌が含まれることも知られる。

培養実験を行ったところ、ISO32株はHydrogenimonas属において初めて常温性を示す分離株と判明。近縁種を含めたゲノム解析から、Hydrogenimonas属及び常温性のイプシロンプロテオバクテリアは病原性の有無や栄養的分類に関わらずPta-AckA代謝に関わる遺伝子を有していることを明らかにした。

研究グループは「本新種の発見は、イプシロンプロテオバクテリアの進化の理解に貢献することが期待される」とコメントしている。

新種細菌が発見されたCrab Spa熱水サイト
(Photo courtesy of Stefan Sievert, WHOI/NSF/HOV
Alvin, © Woods Hole Oceanographic Institution)