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がん研と京大、再生医療で生じる有害事象の報告状況を調査 有害事象が報告されていない可能性を指摘

国立がん研究センターと京都大学との研究チームは、再生医療法に基づき再生医療の実施者が義務づけられる有害事象の発生の報告の現状について調査した。有害事象について適切に報告されていない可能性が浮上している。

調査の結果、再生医療法に基づいて自由診療で行われる再生医療の治療計画では、およそ10万回の細胞投与に対して報告件数が10回未満であったことが分かった。それに対して、国が承認した再生医療など製品を使用した治療においては、3~4回の使用に対して1回の報告があることが判明した。

また、過去の報道に基づき再生医療を受けた患者の有害事象発生の訴えが、実施者に受け入れられずその計画を審査した委員会に報告されていない場合があることも推測された。

研究グループは「再生医療法に基づく自由診療において、有害事象の発生が適切に報告されていない可能性が示唆された」と報告している。