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大阪公立大研究Gが新規の肺炎玉菌ワクチンを開発 感染症医療への貢献に期待

大阪公立大学の植松智教授らの研究グループは17日、独自に開発した粘膜ワクチン技術と幅広い血清型をカバーできる肺炎球菌表層タンパクを組み合わせて新規の肺炎球菌ワクチンを開発したと発表している。次世代のワクチン技術として感染症医療に貢献する可能性もある。

研究グループは、以前の実験であらゆる粘膜面に粘膜免疫応答を自在に誘導することができる粘膜ワクチンを開発して報告していた。だが、技術に使用しているワクチン製剤の基剤のうち一部が、副作用のため人へ使用できない状況であり臨床応用に向けた基剤の変更が必要であった。

こうした背景から、研究グループは人で使用可能な水中油中水型(WOW)エマルジョンを用いて2019年に報告した粘膜ワクチンと同等の粘膜免疫応答を誘導することができる新しい粘膜ワクチンを開発した。

このワクチン技術と幅広い血清型をカバーすることが可能な抗原「肺炎球菌表層タンパク(PspA3+2)」を組み合わせて、肺炎球菌感染症に対する効果をマウスモデルで確認した。

研究グループは「あらかじめ注射によって免疫を獲得しておけば、その後抗原の粘膜投与だけで効果的な免疫を誘導できるため、次世代のワクチン技術として今後の感染症医療への貢献が強く期待される」と評価している。