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筑波大などの研究G  新しい流体混合現象の計測手法を開発

筑波大学などの研究チームは16日、空間に浮上、合体させた2つの液滴内の流れと流体分布の両方を、蛍光発光粒子を用いて可視化する計測技術を開発した。これにより、液滴が合体する際の面振動によって引き起こされる内部流動が、流体の混合を促進させることが明らかになった。

一般に、液体を扱う際は、容器に入れなくてはなりません。しかし、超音波を用いると、直径数ミリメートルの液体(液滴)を複数個、空間に浮かせて、容器の影響を受けずにこれらを混ぜることができる超小型試験環境「Lab-on-a-drop」が得られます。

この研究では、この超小型試験環境で、小さくて簡単には混ざらない二 つの液滴を合体させる(混ぜる)技術、および、それらの混ざり具合を測る方法「選択的カラーイメージング法」を開発した。

混ぜる技術としては、7×7の超音波振動子から、位相をずらして超音波を照射することで、任意の場所に液滴が浮遊可能なポイント(焦点)を作り出す、超音波フェーズドアレイを用いている。同一種類の液滴2つを同時に浮かせて、これらを衝突、合体させることに成功した。

混ざり具合を測るためには、それぞれの液滴を構成する流体の動きを判別する必要がある。ここでは、赤と緑の蛍光発光粒子を採用した。一方の液滴には紫外光を照射すると赤く蛍光する粒子を、もう一方の液滴には緑に蛍光する粒子を入れて、液滴が合体した際の各蛍光粒子の動きを高速度カメラを用いて、それらの混ざり具合を詳細に撮影している。

合体の際に生じた界面振動による流体の混ざり具合と分子拡散による混ざり具合の違いを、混合に要する時間スケールに基づいて分析したところ、界面振動による混合が支配的であることが明らかになった。

研究チームは「今回は、同一種類の二つの液滴の合体と混合についてのメカニズムを解明しましたが、今後さらに、種類の異なる液滴同士の浮遊・合体・混合について研究を進める予定」としている。