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日本初の直接経口抗凝固薬「エドキサバン」 安全な利用が可能と証明(九州大)

九州大学は2021年1月から実施している日本初の直接経口抗凝固薬「エドキサバン」の治験結果を14日に発表した。同様の効果を持つ薬と比較して劣性がなく、安全に利用できることを証明した。

治験では3カ月以上抗凝固療法を行っても肺動脈の血栓が溶けない「慢性⾎栓塞栓性肺⾼⾎圧症(CTEPH)」患者にエドキサバンまたは血栓を防ぐ薬「ワルファリン」を内服させ、1年後の肺血管抵抗の変化や出血、血栓症の発症など今年3月まで観察した。

その結果、エドキサバンを内服した患者の1年後の肺⾎管抵抗は、ワルファリンを飲んだ患者の肺⾎管抵抗と⽐べて悪化はなく、⼤出⾎や⾎栓症の発⽣も両薬剤間で差はなかった。

CTEPH患者の肺⾼⾎圧症の進展抑制において、エドキサバンのワルファリンに対する⾮劣性が証明され、安全性についても臨床上問題がないことが確認されている。

九州大学の細川和也助教は「既に利⽤できている⾮弁膜症性⼼房細動や静脈⾎栓塞栓症と同様にCTEPHでも今後エドキサバンが安全安⼼に利⽤できるようになることをうれしく思う」とコメントしている。