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JFCC、リチウムイオンの動きを可視化 高速充放電を可能にする負極材料の開発加速へ

一般社団法人ファインセラミックスセンター(JFCC)は15日、リチウム(Li)イオンの動きをナノメートルスケールでリアルタイムで可視化することに成功したと発表した。チタン酸リチウムの表面をリチウムイオンが伝導するという現象を世界で初めて解明したとしている。

研究グループは、電池を透過電子顕微鏡内部で充放電させながらLiイオン分布を観察する方法により、チタン酸リチウム負極を伝導するLiイオンの動きをナノメートルスケールかつリアルタイムで可視化することに成功した。

その結果、チタン酸リチウムにLiイオンを吸蔵する過程と放出する過程で、材料内部に非対称なLiイオン分布が形成されていることが明らかとなった。

この結果は、Liイオン吸収時にはLiイオンが材料表面を伝導するのに対し、放出時には材料内部を伝導していることを示している。チタン酸リチウムの表面をLiイオンが伝導するという特異な現象を世界で初めて解明した。

JFCCは「本研究によって、多数の表面・粒界を有するチタン酸リチウム材料が高速充放電性能を有する可能性が示された。このコンセプトの実証により、高速充放電可能な電池材料の開発を加速する」とコメントしている。