東京理科大学の山下恭平助教らと㈱ユーグレナのグループは、食品として注目されるユーグレナの培養方法について研究を行った。その結果、市販のトマトジュースを水で希釈し、ユーグレナの生育に必須のビタミン2種(B1、B12)を添加したのみの培地で、従来の培地と同じくらい良好にユーグレナを培養できることを見いだした。
ユーグレナ含有食品の製造には、培養をはじめ多くの工程が必要で手間がかかる。そこで研究では、ユーグレナ含有食品をより安価で簡単に製造する方法を開発するべく、人がそのまま摂取できる飲料中でのユーグレナの培養法を検討した。
研究では、トマトジュースやぶどうジュース、甘酒など13種類の飲料で培養することを試した。結果として、トマトジュースが最適であることが分かった。グルタミン酸やそれ以外の成分がユーグレナ成育に寄与していると推測されている。
この手法を用いることで培地にかかるコストを6分の1まで抑えることができる。研究グループは「簡便かつ安価な本手法は、食品としてのユーグレナの利用範囲拡大に寄与すると期待される」としている。