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食のオンラインコンテンツに半数以上は「著者の明記なし」 東大教授らが明らかに、科学的信頼性に懸念 

東京大学の村上健太郎教授らのグループは、日本語で書かれた食事と栄養に関するオンライン情報の多くは著者を明記していないなどの問題があることを明らかにした。これらのオンライン情報について懸念を抱かせる結果となったとしている。

研究ではグーグルトレンドを用いて食事や栄養に関するオンライン情報を抽出するために、関連するワード107を特定。その後、グーグル検索を使って関連するオンライン情報を調べた。

その結果、食事や栄養に関する情報計1703個が確認された。その特性を見ると、編者や著者を明示しているコンテンツは46.4%、57.7%で広告が掲載されていた。引用文献が載せられているものは40.0%だった。

また、コンテンツやテーマの発信源は、「編者または著者の存在が明示していること」や「広告が付随していること」「参考文献の有無」という特性と有意に関連していた。

特に体重管理を主題とした場合、「編者や著者の存在の明示」が約6割、「広告の付随」は約7割、「参考文献の引用」約4割という結果であった。また、医療機関からのコンテンツは引用が少ない傾向にある。

研究グループは「日本語で書かれたオンラインの食事や栄養関連情報におけるオーサーシップ、利益相反、科学的信頼性に関して懸念を抱かせるものである」と指摘している。