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植物が体表の粘液がどのように脱ぎ去るのか 東工大などのチームが調査「品種改良に貢献」

東京工業大学の佐々木結子研究員らによる共同研究チームは、コケの一種であるヒメツリガネゴケが太陽光などから身を守る「クチクラ」を作ることで成長する新たな仕組みを発見した。果実の大きさなどの品種改良に貢献できる可能性もある。

植物や昆虫には太陽光や細菌などさまざまなストレスから身を守るためにクチクラという粘液を体にまとっている。昆虫は脱皮することでそれを脱ぎ捨てて成長していくが、脱皮ができない植物がどのように育っていくのかは不明であった。

成長中の葉を詳細に調べたところ、葉の表側に新たにクチクラを作り出すことで葉の表側を伸長させ、結果として葉が内側から外側へ向くように成長させるという新たな仕組みを発見した。

さらに分子レベルで解明を試みた。そして、成長中の葉に存在するたんぱく質「PpABCB14」が、細胞の表面にクチクラの材料を送ることで新たに作り出し、葉細胞の表側を伸ばすというメカニズムを明らかにしている。

研究チームは「クチクラがどのように細胞成長を促進するのか、その仕組みを分子レベルで明らかにすることで、農作物の果実の大きさや皮の厚さを変えるといった品種改良につながる可能性が期待できる」とコメントしている。