順天堂大学の岡崎康司教授の研究グループは十数年にわたり難病「ミトコンドリア病」の遺伝子診断に取り組んできた。同大学は調査を保険適応検査として実施すべく、契約施設からの検査依頼を受け付けている。ミトコンドリア病は、全身の臓器や器官に、けいれんや精神症状、筋肉の低下、心筋症などさまざまな影響が現れる疾患。
ミトコンドリア病遺伝子パネルシーケンスは、すでに600例を超える解析が完了。有効性が証明されているという。
研究グループによると、2020年1月~22年12月の3年間で449例を分析。この検査方法で遺伝子診断がついた病例は約2割の105例。このうち遺伝子変異を原因とする症例が38件。ミトコンドリアDNA変異を原因とする症例が67件であった。
研究グループでは今後、「採決の際に研究参加への同意を表明した患者に対しては、難病の診断と治療研究センターがミトコンドリア病研究として遺伝子解析を引き継ぎ、全ゲノムシーケンスなどより詳細な解析を行い、遺伝子診断確定を目指す」としている。