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阪大研究G個人が味覚感度の数値化に成功―苦味を受けとる遺伝子の解析と客観性の高い味覚検査を組み合わせて―

□研究成果のポイント■

◎遺伝子の解析と詳細な味覚検査を組み合わせることにより、個人の味覚感度を数値化

◎苦味を受けとる遺伝子のタイプによって苦味の感度が大きく異なっていた

◎これまで味覚検査は主観的方法に頼っていたが、客観的・統計的な方法を用いることで個人の味覚感度を数値として示せるようになり、個人間の比較が可能に

◎遺伝子の違いによって生じる味覚感度の個人差を考慮することで、味覚障害の有無を予測できる可能性があり、臨床課題への応用に期待

大阪大学大学院連合小児発達学研究科(片山泰一研究室)らの研究グループは、味覚を受けとる遺伝子の解析と客観的・統計的な味覚検査を組み合わせることにより、個人の味覚感度を数値化することに成功した。

ヒトの味覚は舌の表面にある味細胞で知覚される。ヒトの味覚感度には個人差があることが知られているが、これまでの味覚検査は主観的方法に頼っており、個人間での味覚感度の違いは不明確だった。

今回、研究グループは、すでに視覚分野で確立していた客観的・統計的に個人の感度を測る手法を味覚分野に適用することで、個人間の味覚感度を数値で比較することに成功した。遺伝子の違いによって生じる味覚感度の個人差を考慮することで、味覚障害の有無を予測できる可能性があり、臨床課題への応用が期待される。

この研究は片山研究室と先端治療・栄養学寄附講座の青木京子寄附講座助教ら、さらに大阪国際がんセンターの飯島正平主任部長らのグループが行った。

この研究成果は国際科学雑誌「Nutrients」15号に、5月22日にオンライン掲載された。