日本電信電話㈱(NTT)は、音を閉じ込める音響デバイスで周囲に複数の音が混在するにぎやかな場面でも必要な音がクリアに聞こえる技術を確立した。外からくる音を利用して聞き取りやすくする手法、外部に音を減らす方法を開発したという。本技術は、「聴きたい音」が周りに漏れずに自分だけに聴こえ、「聴きたくない音」はカットする究極のプライベート音空間を実現する PSZ(Personalized Sound Zone)をコンセプトとする研究開発成果の一つ。コンサート会場などでの活用が期待される。
NTT耳を塞がないイヤホンやヘッドレスト型スピーカーなどの音響デバイスの研究開発をすすめ、音響デバイスの音を周囲に漏らさない技術を確立してきた。だが、耳を塞がない音響デバイスは、周囲の音がデバイスの音に影響を与える問題があった。
そこでNTTでは、音が混在する環境下でも音を聞こえやすくする技術を開発。「外からの音の空間的な特性を利用して聞き取りやすく追加する方法」と、「外からくる音を減らす方法」の2つの技術を確立した。
NTTは「更にさまざまな分野での実証実験を行い、技術のフィジビリティを高めていきます」と意気込んだ。そして、「新たな音響体験の創出に向けてNTTグループ各社と連携しサービス提供を目指していく」としている。