日本電信電話㈱(NTT)は、同社が提供するIOWN APN(APN)を活用した低遅延トランスポート技術に、ソニーグループ㈱が開発する精密バイラテラル制御技術を接続。力覚情報を3D映像とともに遠隔地にいる操作者にフィードバックすることで、遠隔地においても直接触れたかのような操作感が得られたことを確認したと発表している。
実証実験では送信側での映像入力から受信側での映像出力までの遅延を0.001秒以内に抑えるAPN技術と操作者の動きとロボットアームの先端を高い精度で連動させるバイオテラルを組み合わせる実証実験を行った。
その結果、APNを介した約120キロメートルにわたる長距離実証実験では、0.001秒以下の低遅延で安定動作を確認できた。アプリケーション側の通信処理は、APNを介した場合も0.00001以下の低揺らぎにて安定動作した。
これにより、APNと低遅延トランスポート技術が伝送の遅延や揺らぎの課題を解決し、近距離を前提としていた精密バイラテラル制御を離れた地点間に拡張できる可能性が示された。
今後についてNTTは「具体的なユースケースを考慮した実証実験を実施し、場所の制約を越えた精密な遠隔操作の適用範囲を拡大することで豊かな社会の実現を推進したい」としている。