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わずかな筋肉動作をメタバース操作につなげる NTTが装置開発、障害者の意思疎通に貢献

日本電信電話㈱(NTT)は8日、四肢等肢体が不自由である重度身体障害者のメタバースを通じた意思疎通やつながり構築の実現に向けて、わずかな筋肉の動作をメタバースの操作につなげる入力装置を開発した。障害を感じさせないコミュニケーションの実現を目指す。

NTTは障害者だけでなく、支援者も含めて多様性を理解する「Project Humanity」の取り組みの一環として、重度身体障害者が社会との豊かなつながりをもてる技術創出を目標としている。

今回、重度身体障害者のメタバースへの身体拡張に向けて、動作と関係が深い筋電センサ(sEMG)に着目。そして、新たな身体拡張技術として、筋肉の動作をメタバースへの命令につなげるsEMGを生かした入力装置を開発した。

ALS共生者がわずかに動かせる肉体の位置情報とその部位の動作に貢献するsEMGを計測した結果すると、数ミリメートルの動きで筋電が観測されたという。

NTTは今後について「2024年度には、障がいの程度に合わせることが可能な技術に改善する」とし「多様なコミュニケーション表現に発展させ、メタバース空間やロボットを介したリアル空間で、障害があるというバックグラウンドを感じさせないコミュニケーションの実現を目指す」と説明している。