理化学研究所(理研)の髙橋 幸生 チームリーダーらは、東北大学などと共同でX線光子相関分光(XPCS)と動的コヒーレントX線回折イメージング(動的CXDI)を組み合わせた解析法により、不均一な運動の解析がナノスケールからマイクロスケールで可能であることを実証した。
共同研究グループは、ポリビニルアルコール水溶液中に分散した金コロイド粒子の運動について、XPCSと動的CXDIで得られたデータに対して、人工知能(AI)の一つである機械学習の技術を採用した解析を実施しました。
これにより、数百ナノメートルの範囲ではブラウン運動が存在し、マイクロメートルの範囲では2つの運動モード、すなわち狭い領域に拘束された運動と異方的な拡散運動が存在することを見いだした。
研究チームは「本手法は入射X線強度ならびにX線画像検出器の性能によって、その時空間分解能が制限される」と説明。「今後、低エミッタンスの放射光源と次世代画像検出器の開発により、さらなる性能向上が期待される」としている。