中央大学の鈴木宏明教授らと㈱エターナス、㈱キャラベルの研究グループは、マイクロ流体工学をベースとした、シングルセルトラップ用オープン型マイクロ流路を開発した。この技術を基にしたバイオものづくりが実現する可能性もある。
研究グループは、オープン型マイクロ流路をシングルセルトラップ・アレイ化に適用することで、短時間で多数の細胞に処理を行うことを可能とした。
具体的にはチップの上面に設けた溝の中に、毛管力によって水が流れる現象を利用した微量流体制御手法を採用。チップ上の特定の位置に細胞を短時間で配列させ、限定した細胞を選び取る仕組みを構築した。この技術は、細胞と同サイズのマイクロ溝の中だけを精密に水となじみやすくする方法を開発することで実現している。
研究グループは「この技術をもとに、機能が高い細胞を選んで取得するスクリーニング技術が汎用的に使えるようになり、SDGsの実現に向けたバイオものづくりに貢献できる」と説明している。