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非喫煙者に多い「肺腺がん」に罹患しやすい個人差を発見 がん研など19施設が調査、EGFR遺伝子との関わりも特定

国立がん研究センターなど全国19施設からなる研究グループは、日本人の肺腺がん患者約1万7000例と罹患していない約15万例の遺伝子の個人差を調べた。その結果、肺腺がんへのかかりやすさを決める個人差が19特定され、一部は非喫煙者に発生するEGFR遺伝子に変異を持つ肺腺がんへの侵されやすさと関わることが分かった。

肺がんはがん死因の1位であり、日本では年間約7万6000人、世界では約180万人の死をもたらしている。肺がんの中でも発症頻度が高く、増加傾向にあるのは肺線がんだ。特にアジアではEGFRという遺伝子の変異を原因として発生する可能性が高い。

19個の遺伝子の個人差について、EGFR遺伝子に変異を持つ肺腺がんと持たない肺腺がんへのかかりやすさを決める遺伝子の個人差の強さを比較した。その結果、HLAクラス II遺伝子の4つの個人差とTERT遺伝子の個人差が、EGFR遺伝子に変異を持つ肺腺がんに強く関わることが明らかになった。

例えば、TERT遺伝子の肺腺がんのかかりやすさを決める遺伝子の個人差を1つ持つ人は、1.43倍EGFR遺伝子の変異を持つ肺腺がんへのかかりやすさが高まった。2つある人はそうでない人と比べて2.04倍高まる。

テロメア配列の長さを調節するTERT、TERC、POT1遺伝子の個人差とその人の持つテロメアの長さの関係を調べた。その結果、肺腺がんへのかかりやすさを決める遺伝子の個人差を持つ人は、そうでない人に比べてテロメアが長い傾向にあることが分かった。これは、より長いテロメア配列を持つことで肺の細胞ががん化する可能性を示唆している。

研究グループは「今回の研究成果を基に、非喫煙者の肺腺がんの予防や早期発見の手掛かりとなるかもしれない」と話している。