物質・材料研究機構(NIMS)は8日、日本ロレアル㈱と共同で湿度に応答して形状記憶効果を発動するポリマー材料を開発したと発表した。髪の毛に塗って乾かすことで高湿度環境でも望みのヘアスタイルをキープできるスタイリング材料へと応用できるという。
髪の毛は水分の影響を受けやすく、雨の日などで多くの人がヘアスタイルの崩れに悩まされている湿度への耐性を与える製品にヘアスプレーやジェルがあるが、影響を軽減するにとどまっている。高湿度下でヘアスタイルを維持できる製品を研究した。
■湿度にさらされたときに計上記憶効果を発動
研究チームは、髪を湿気から保護するのではなく、湿度にさらされた時に形状記憶効果を発動する新たなポリマーコンポジット材料を開発した。これを使ってコーティングすることでスタイリング効果が高まることが分かっている。さらに、髪束が広がっても元の形状へ近づくこと証明された。
研究チームは「湿度が誘起する形状記憶現象のメカニズムが明らかになったことで、湿度に対してより効果の高いヘアスタイリング方法を提案できる可能性がある」と述べている。