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アトピー性皮膚炎などの新薬開発に期待 北大研究Gが結合型セラミドの構造解明 

北海道大学の大野祐介助教らの研究グループは7日、これまで不明であった結合型セラミドの構造を解明し、その産生の反応様式を明らかにしたと発表した。アトピー性皮膚炎などの新薬開発につながることが期待されている。

研究グループは、結合型セラミド産⽣における中間体のエポキシエノンセラミド(EEセラミド)とその構造を模した化合物(EEアナログ)を⽤いたアミノ酸やペプチドとの結合実験及びマウスの表⽪を⽤いた解析を実施した。その結果、結合型セラミドの構造がシステイン結合型P-EOセラミドであることを見いだした。

その構造はEEセラミドのエノン構造部位のβ-炭素がシステイン残基のチオール基と結合したものであり、その産⽣はマイケル付加反応と呼ばれる様式で⾏われていた。さらに、システイン結合型P-EOセラミドは⽪膚に豊富に存在し、主要な結合型セラミドであることを突き止めている。

研究グループは「本研究成果は⽪膚バリア形成の分⼦機構の解明に⼤きく貢献しただけでなく、⽪膚バリア異常を起因とするアトピー性⽪膚炎や⿂鱗癬などの治療薬の開発につながることが期待される」としている。