東北大学の髙橋信博教授らの研究グループは、四川大学と共同研究を実施した。産酸物の抑制効果がある「カテキン」と「フッ化物」の組み合わせが口腔内微生物による酸の産生を効率よく抑制することを明らかにしている。研究グループは、それぞれの最適な比率の検証をする必要性を指摘している。

■歯が解ける環境で効果大

研究では、むし歯の進行を食い止める効果があるカテキンとフッ化物を組み合わせることでその効率が向上するのかを検証した。

緑茶由来のカテキンは複数あり、その構造の違いが抑制効率に影響することが予想された。そこで、各種カテキンと細菌細胞膜に存在する糖の取り込み酵素との相互作用を検討。その結果、ガロイル化カテキンが効果的に糖の吸収を阻害すると示された。

そして、カテキンにフッ化物を組み合わせると、むし歯の酸の産生がより抑制されることが明らかになっている。特に歯が溶ける環境でその効果が高まっていた。

研究グループは「カテキンとフッ化物の最適な配合比率や供給形式についても検討が必要」と述べ、「お茶のむし歯予防効果についてもさらに検討すべき」としている。