名古屋大学の松井公佑講師らの研究チームと横浜ゴム㈱は6日、大型放射光施設「SPring-8」で、X線吸収微細構造−コンピューター断層撮影(XAFS-CT)法を用いて、ゴムと真ちゅう(銅と亜鉛合金)材料の接着モデルに対し、ゴム中の銅の分布と物質の種類を3次元的に可視化することに成功したと発表した。
研究チームは、得られた3次元データを使って、ゴムと金属材料の接着や老化過程の銅の反応パターンの追跡を行った。
その結果、ゴムと金属材料間の接着力を増強や低下させる過程で、銅が硫黄と反応する硫化反応のパターンが5通りあることを特定。また、接着老化の進行に伴い、反応パターンが変化する様子を捉えることに成功している。
研究チームは今回の研究成果について、「これまでわからなかったゴム材料内部の接着老化メカニズムの可視化、寿命予測につながる」としている。