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「切れた腱が完全に元通りに治る」 名大准教授がイモリの腱再生を用いた研究モデルを開発、アスリートの腱・靭帯損傷医療への応用に期待

名古屋大学の前田英次郎准教授らの研究グループは6日、広島大学との共同研究でイモリを用いて損傷した腱が完全再生する現象とその仕組みを人間に生かすためのヒントを新たに発見したと発表している。プロアスリートから一般の人々まで幅広い年代に起きる腱や靭帯の損傷。新たな医療技術開発への応用も期待できそうだ。

■イベアリアトゲイモリを使用

腱の損傷はほぼ完全に戻らないことが知られており、治癒の改善を目指した研究が世界で行われている。だが、実験はウサギやマウスで行われることが多いが、今回の研究は四肢を再生できる「イベリアトゲイモリ」を使い、世界に先駆けてイモリの腱を用いた研究モデルを開発した。

それによると、イモリは切断された腱を3カ月で健常な腱と同じレベルまで回復させられることが判明。マウスと比較すれば、イモリの腱がシンプルな構造であることが要因であると分かった。

■競技や日常生活への早期復帰につながる

研究グループは「腱、それに類似する構造を持つ人体の怪我に悩む人々がより早くより良い形で競技や日常生活に復帰できることにつながる」としている。