産業技術総合研究所(産総研)の生長幸之助研究チーム長らのグループは東京大学などと共同で、低コストで廃棄物を抑えたペプチドの大量合成法を実現したと発表している。九つのアミノ酸からなる複雑なペプチドも作製可能。
人工的にペプチドを大量に作るためには、「化学合成法」が必要。この方法では保護基を備えた高価なアミノ酸原料や活性化剤(縮合剤)を使用するため製造コストが上昇し、廃棄物が大量に生じてしまう。
こうした理由から、ペプチド合成法を新たに開発した。あらかじめ複雑なペプチドの部分構造となる分子を作製して、これらをブロック単位としてつなげていくことで、より大きなペプチドを作ることができるという。
研究グループは「この新しい合成法は、これまでペプチドが活躍できると思われていなかった食品などの産業でも、ペプチドを応用していく道を拓くことが期待される」とコメントしている。