日本電信電話㈱(NTT)、㈱NTTドコモ、日本電気㈱(NEC)は複数の無線端末が同時に同じ周波で伝送する場合でも、静止時と同程度の伝送量を実現する実証実験に成功した。イベントなど多数の端末が集まる場合でも、安定して大容量伝送が行える可能性を示している。
実験では屋内の29㍍×15㍍のエリアに14台の分散アンテナを設置、4台の無線が移動する環境を模擬して実験を実施。ビーム幅が狭いアナログビームをアンテナと端末の双方に適用。アンテナ、端末、ビームの組み合わせを選択する「マルチユーザ伝送」を行った。
その結果、無線端末の位置で干渉を打ち消すようにする技術「プリ・コーディング」を使うこれまでの技術では無線伝送量が10分の1に低下するのに対し、マルチユーザ伝送では伝送容量をほぼ維持することに成功した。
さらに、電波がさえぎられる前に、最適なアンテナ・ビームを選択することで遮蔽環境でも大容量無線伝送を安定して実現できることを明らかにしている。