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NTTが人工光合成デバイスを開発 「世界最長」350時間連続炭素固定実現

日本電信電話㈱(NTT)は半導体触媒と二酸化炭素(CO₂)を還元する金属触媒を電極として組み合わせた人工光合成デバイスを開発して、世界最長である350時間連続炭素固定を実現した。CO₂変換反応による累積炭素固定量は420g/m²に達し、スギが年間で固定する単位面積あたりの炭素量を上回る量に相当する。

人工光合成は世界中でさまざまな研究が進められており、特に高いCO₂変換効率を実現できる触媒に関する検討が盛んだ。だが、連続したCO₂変換の試験時間は長くても数十時間レベルにとどまっており、長時間化に向けた劣化抑制の技術確立が課題となっている。

NTTでは長時間連続して気相中のCO₂をより効率的に変換可能な人工光合成の実現を目指して光をエネルギーとして利用するための半導体光触媒電極とCO₂を効率的に変換できる金属触媒電極で構成したデバイスを設計した。これにより電極の劣化を大幅に抑制することに成功し、10倍以上のCO₂変換効率を実現している。

今後についてNTTは「太陽光エネルギーを用いたCO₂を減らす技術の1つとして確立し、気候変動の抑制に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献する」としている。