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閉塞性動脈硬化症の新たな治療法 東京医大研究Gが開発、少ない拒絶反応

東京医科大学の福田尚司教授らの研究グループは、「自己骨髄由来培養間葉系細胞移植による末梢動脈疾患に対する完全自家血管新生治療」に関する安全性試験の結果をまとめた。新たな治療法は患者の細胞を用いて行うため、拒絶反応も少ないという。

閉塞性動脈硬化症は、四肢の末梢動脈に狭さくや閉塞が起こることで血流が低下し、歩くと足が痛い症状、安静時とう痛、下肢の組織障害などの症状を引き起こす疾患。依然として既存の治療法では重症患者においては死亡率が高く、下肢切断を余儀なくされる患者は年間30%という現状がある。

研究では、閉塞性動脈硬化症患者において最重症である患者に対して自身の細胞を培養し、それを下肢筋肉に投与する臨床研究を実施。本人の細胞を使用するために、安全性が高く拒絶反応などを避けることが可能であり、細胞調製室を備えた施設において比較的容易に実施することが可能である。

研究グループは「今後、先進医療を通して、より進んだ形で本治療法の安全性を明らかにし、多くの下肢虚血の患者さんに幅広く実施できるように保険収載を目指す」としている。