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頭蓋底でのTNAPのメカニズム 新潟大研究Gが解明

新潟大学の大倉直人助教らの研究グループは、頭蓋神経堤細胞でのみ組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNAP)が欠損するマウスを用いて、免疫組織学的解析と頭蓋底の器官培養を実施した。無機リン酸塩とピロリン酸塩が蝶形骨間軟骨結合(ISS)における細胞シグナル伝達と表現系変化に特異的な影響を与えることを明らかにしている。

TNAPが欠損する2匹のマウスを使った実験を行ったところ、TNAPを⽋損させたマウスでは, 蝶形⾻間軟⾻結合(ISS)のたんぱくのシグナル伝達に影響を及ぼすことが分かった。また、神経堤細胞におけるTNAPの自律的な役割を見いだしている。

さらに、研究グループは成長板軟骨細胞におけるTNAP発現は頭蓋底の正常な発達に不可欠であり、そのメカニズムはピロリン酸塩だけでなくタンパクへ関与する可能性が高いことを確認した。

研究グループは今後について「TNAPの⽋損は頭蓋底だけでなく⻭根(⻭の根)の成⻑にも⼤きく関与していることが分かっている。こちらもその詳細は不明なので, このマウスを⽤いて詳しく調査していく予定」としている。