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X線自由電子レーザーの輝度を大幅増 実験の精度向上などに期待(理研)

理化学研究所(理研)の田中均グループディレクター(研究当時)らの共同研究グループは、人工知能(AI)を用いてX線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」のビーム調整を自動的に行うことにより輝度を大幅に向上させることに成功した。この施設を利用した実験の精度向上などが期待されている。

共同研究グループは、AIを利用してSACLAの多数の調整ノブを同時に変化させ、XFELの複数の性能指標を同時に最適化することで、人による調整では到達できない性能を実現した。

特に、XFELの強度だけでなくスペクトル幅も同時に最適化できるよう、新開発の高分解能スペクトロメータを導入することで大幅に輝度を増大させられた。また、SACLAの日々のビーム調整を短時間で済ませられるようになったため、より多くのXFELを利用実験に提供できるようになった。

研究グループは「SACLAを利用したさまざまな実験において精度の向上や利用時間の増大に貢献する」と評価している。