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「バレー音」が回る方向を磁場によって制御 左回りと右回りを区別(理研)

理化学研究所(理研)のホルヘ・プエブラ研究員らの研究グループは、基板の表面に磁石を用いたうろこ状の周期的な模様を形成。その表面を伝わる音波に「バレー」と呼ばれる回転状態を与え、磁場によってその「バレー音波」の左回りと右回りを区別して制御できることを明らかにしたと発表している。

研究グループは、固体表面に枝雀の正三角形パターンを周期的に敷き詰めた構造を作製した。この表面を伝わる音波は三角形を左回りするか右回りするかに対応した「バレー自由度」を獲得する。

磁場をかけることによって時間反転対称性を破ることにより左右のバレーを区別することが可能になり、片方のバレー音波だけが優先的に表面を透過する状況が実現された。この研究は人工的にデザインされた格子によるバレー制御の実証は、バレーの技術応用に向けた大きな進歩だ。