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蓄電池材料を省エネで合成する手法開発 北大教授らが成功、短時間・低コストでコバルト酸リチウム作成

北海道大学の松井雅樹教授らの研究グループは25日、リチウムイオン電池の正極活物質として広く使用されているコバルト酸リチウムを、低温かつ短時間で合成する手法の開発に成功したと報告している。大幅な生産コストの削減が期待されている。

リチウムイオン電池の製造にて価格だけでなく、多量な二酸化炭素の排出など生産コストも問題だ。

こうした課題に対して、研究グループは新たにハイドロフラックス法を開発した。この手法を用いることで市販品と同等の結晶性を持つ層状コバルト酸リチウムを、300度で30分という短時間で合成することに成功した。

また、この反応は150度でも進行し、スピネル型コバルト酸リチウムが形成される反応とは異なる反応経路で合成が進行することを明らかにしている。

研究グループは「この手法は特別な設備が必要ない。したがって、蓄電池材料合成プロセスの大幅な省エネルギー化、低コスト化及びCO₂排出量の低減が実現可能である」と述べている。