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非アル性脂肪性肝疾患に脳内ペプチドの動態が関与 新潟大研究Gが解明

新潟大学の上村顕也特任教授らの研究グループは25日、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の病態に脳内ペプチドの動態が関与していることを解明したと発表した。

研究グループは、病態初期に⾃律神経経路を遮断した NAFLDモデルマウスで胃グレリン発現の抑制に成功した。興味深いことにこれらのモデルマウスでは、成⻑ホルモンーインスリン様成⻑因⼦1軸が活性化しており、胃グレリン以外に成⻑ホルモン分泌を活性化する機構の存在がほのめかされた。

そこで、脳内ペプチドの解析を⾏うと、脳由来神経栄養因⼦であるBDNFと副腎⽪質刺激ホルモン放出因⼦であるCRHの発現が低下し、成⻑ホルモン分泌は活性化していた。またこれらの変化は、BDNF、CRHの上流因⼦で、⾷欲にも関連するメラノコルチン4受容体が⽋損したマウスでは認めらなかった。

研究チームは「NAFLD の初期段階においては、胃グレリンの発現に関与する末梢⾃律神経経路と脳内ペプチドなどの中枢性神経伝達物質が、NAFLDの病態進⾏抑制を相補的につかさどっている可能性が⽰唆された」としている。