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光物性などを自動で測定できるシステム 阪大研究Gが開発、さまざまな場面への展開に期待

大阪大学の佐伯昭紀教授らの研究グループは25日、測定装置とロボットを組み合わせて、光物性、マイクロ波電導度、光学顕微鏡像を自動で測定できるシステムを開発したと発表した。このシステムを用いて有毒元素を含まない次世代太陽電池材料を素早く探索する性能向上に成功している。

低価格で軽量化が期待されているペロブスカイト太陽電池はシリコン太陽電池の変換効率とほぼ同等の26%まで向上している。だが、有毒な元素である鉛を含むという懸念事項もあり非鉛で低毒な太陽電池の研究が進んでいる。

今回、研究グループは、太陽電池性能とよく相関する光電導度信号を測定できる独自のマイクロ波伝導法を、ロボットを用いた自動評価システムと融合することで、簡単で高精度な次世代太陽電池材料の探索を可能にする装置を開発した。さらに、太陽電池薄膜の光吸収及び光学顕微鏡測定も構造に組み込むことで、スピーディな解析を可能にしている。

研究グループは「日本の研究開発力を向上させる上で、多くの実験を自動化することは必要不可欠と考えられる」とし、「本研究はその先駆的な成果で、今後さまざまな場面への展開が期待される」としている。