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乳酸は〝みにくいアヒルの子〟かも? 東大研究Gがバイオセンサーを開発

東京大学の那須雄介助教らの研究チームは25日、たんぱく質工学の手法を駆使することで、再妨害の乳酸を観るバイオセンサーeLACCO2.1を開発したと発表した。生きた動物脳内の乳酸可視化センターを作り上げた。同センターを利用した研究により、乳酸は実は人々の脳活動に極めて重要なエネルギー源であることを実証することが期待される。「乳酸は〝みにくいアヒルの子〟かもしれない」。

研究チームは指向性進化法と呼ばれるたんぱく質工学手法を用いて、細胞外乳酸センサーeLACCO2.1と細胞内乳酸センサーR-iLACCO1を開発した。

再妨害の乳酸を可視化するために、eLACCO2.1ではセンサー分子を細胞膜表面に発現するよう工夫した。乳酸センサーLACCOシリーズは、乳酸濃度変化に対する蛍光シグナル変化においてeLACCO2.1乳酸感度:eLACCO1.1比で3.5倍、R ―eLACCO1乳酸感度:既報の細胞内乳酸センサーLaconic比で100倍という世界最高乳酸感度を有し、生きているマウス脳内の神経細胞内外の乳酸動態を可視化することに成功した。

また、異なる蛍光波長のeLACCO2.1(緑色)とR-iLACCO1(赤色)を同時に利用することで、細胞外と内の乳酸動態を同時に可視化することにも成功した。

研究グループは「LACCOシリーズは生きている動物の中で乳酸の役割を解明することを可能にする」と紹介。「乳酸は実は我々の脳活動に極めて重要なエネルギー源であることを実証することが期待される」としている。